最新のホテル向け補助金一覧|知らなきゃ損する支援制度をまとめて紹介

「経営している旅館やホテルの運営が苦しい」

「コロナ時代に向けて新しく設備投資をしたい」

「DXを促進して従業員やお客様の満足度を上げたい」

新型コロナウイルスの影響を受けて観光業界全体が下火になっている今、注目されているのが補助金です。制度を知らないことで、補助金の対象である多くの事業者が補助を受けられていません。

行政のサイトで調べても業種ごとに絞り込めるわけではなく、自分たちが活用できる補助金を探すのは困難です。

この記事では、2022年7月現在で宿泊業向けに募集されている補助金をまとめました。用途別に紹介しているので参考にしてください。

2022年宿泊施設向け補助金一覧はこちら

旅館・ホテル向け補助金の実態とは?

2021年は新型コロナウイルスの影響もあり、観光業への支援が積極的に行われていました。

宿泊施設が活用できる補助金もいくつかあり、2022年現在も引き続き募集されています。

観光庁が発表している支援制度の目的は以下の3つです。

  • 宿泊施設の経営難を解決する
  • 感染症対策を実施する
  • 外国人観光客を誘致する

具体的には、感染症対策のために必要な設備投資や備品の調達、DX促進の費用を支援します。

「宿泊事業者による感染防止対策等への支援」と題した政策には、総額1,000億円の予算が用意されました。

旅館ホテルの設備投資に活用できる補助金

旅館やホテルの設備投資に活用できる補助金を2つ紹介します。

  1.   事業再構築補助金
  2.   ものづくり・商業・サービス補助金(通常枠)

主に機械や技術の導入、システム開発への投資費用に活用できます。

補助金ごとに設備投資の定義が変わるので、くわしくは募集要項をご覧ください。

事業再構築補助金

事業構築補助金は、ウィズコロナ・アフターコロナ時代に向けて、思い切った事業再構築をしたい中小企業の支援を目的としています。

対象となる事業者が多い通常枠について、概要を表にまとめたのでご覧ください。

項目 要件
補助金額 【従業員数20人以下】100万円~2,000万円【従業員数21~50人】100万円~4,000万円【従業員数51人~100人】100万円~6,000万円

【従業員数101人以上】100万円~8,000万円

補助率 【中小企業者等】2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)【中堅企業等】1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
申請方法 電子のみ

補助対象となる業種が広く、宿泊業でも活用できます。

いくつかの募集枠があり、用途や事業規模によって補助金額が変わるので、自分たちが活用できる枠を検討しましょう。

公式サイト:事業再構築補助金

ものづくり・商業・サービス補助金(通常枠)

ものづくり・商業・サービス補助金は、中小企業・小規模事業者が今後の制度変更などに対応するため、サービスや試作品を開発に必要な設備投資や導入費を支援するものです。

募集枠は複数ありますが、設備投資に活用できる通常枠について紹介します。

必要事項を表にまとめました。

項目 要件
補助金額 【従業員数5人以下】100万円~750万円【従業員数6~20人】100万円~1,000万円【従業員数21人以上】100万円~1,250万円
補助率 【再生事業者】2/3【小規模企業者・小規模事業者】1/2
申請方法 電子のみ
特約 単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必要

 別の募集枠を利用すれば、後述するDX促進にも活用できます。

特約として、指定額以上の設備投資が必要となるので注意しましょう。

公式サイト: ものづくり補助事業公式ホームページ

旅館・ホテルのDXに活用できる補助金

DXに利用できる補助金は以下の3つです。

  1.   IT導入補助金
  2.   ものづくり・商業・サービス補助金(デジタル枠)
  3.   小規模事業者持続化補助金

デジタル化を想定している補助金なので限られた用途でしか使えません。

国の施策としてDX促進に力を入れているため、補助金が充実しています。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する経費の一部を補助することを目的としています。

名前の通り企業のデジタル化に向けた補助金で、用途も指定されています。

項目 要件
補助金額 【従業員数200人以下または資本5,000万円以下の中小企業】5万~450万円
補助率 3/4~1/2以内
※小規模事業者の場合は4/5~1/2
申請方法 電子のみ
特約 ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分補助)・導入関連費等に使用

中規模の事業者も活用できる補助金です。

デジタルツールの導入費用にのみ利用でき、設備投資に比べると補助金額が少なめに設定されています。

詳しくは公式サイトを参考にしてください。

公式サイト:IT導入補助金

補助金が使えるホテルシステムはこちら

ものづくり・商業・サービス補助金(デジタル枠)

上記でも紹介した通り、ものづくり・商業・サービス補助金にはデジタル化を目的とした募集枠もあります。

概要を表にまとめているのでご覧ください。

項目 要件
補助金額 【従業員数5人以下】100万円~750万円【従業員数6~20人】100万円~1,000万円【従業員数21人以上】100万円~1,250万円
補助率 2/3
申請方法 電子のみ
特約 単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必要

通常枠と比べて最大補助率が高くなっています。

デジタル枠の支援目的は以下の通りです。

<引用>

DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援

(引用:公募要項について|ものづくり補助事業公式ホームページ

デジタル枠の申請には、表に示した基本要件に加えていくつかの指定があります。

一般枠との併用はできず、デジタル枠で不採用の場合には自動で一般枠の再審査が行われることもあります。

 【公式ホームページ】

ものづくり補助事業公式ホームページ

小規模事業者持続化補助金

日本商工会が募集している補助金制度です。

小規模事業者が対象なので、中規模以上の事業者は利用できません。

概要は以下の通りです。

項目 要件
補助金額 【従業員数20人以下】上限50万円
補助率 2/3
申請方法 電子・郵送

 11個の補助項目のうち、ウェブサイト関連費や機械装置費がDX促進に活用できます。

DX以外にも活用できる項目があるので、公式サイトから最適な使い道を探してください。

【公式サイト】

小規模事業者持続化補助金

旅館・ホテルのコロナ対策に活用できる補助金

コロナ対策に活用できる補助金は2つです。

  1.   雇用調整助成金
  2.   宿泊事業者による感染防止対策等への支援

感染対策用の物資に対する補助金だけでなく、コロナ禍の雇用維持や感染対策のための設備開発なども含まれます。

既に紹介した設備開発やDX促進以外の補助金を選んで紹介します。

雇用調整助成金

雇用調整助成金は、新型コロナウイルスにより事業縮小を余儀なくされた事業者に対して、従業員の雇用維持を支援する取り組みです。

支援対象に当てはまれば、全ての業種の事業主が手当てを受けられます。

詳細は以下の通りです。

項目 要件
補助金額 1人当たりの上限9,000円
補助率 【中小企業】4/5【大企業】2/3
申請方法 電子のみ

支援対象が広く活用しやすい補助金です。

労働者に直接支払われるため開発などに充てることはできません。 

【公式ホームページ】

雇用調整助成金

宿泊事業者による感染防止対策等への支援

2021年に観光業のコロナ対策として1,000億円の予算が用意された、観光庁が主導する支援政策が行われていました。

支援内容は大きくわけて2つあります。

(1)感染症対策の物資に要する経費

  • 体温計、サーモグラフィ、アクリル板などの機械類に要する経費
  • マスク、フェイスシールド、アルコール消毒液などの必需品に要する経費
  • l専門家による感染症防止策に係る検証などに要する経費

 (2)「前向き投資」に要する経費

マイクロツーリズムやワーケーションに対応した施設改修やコンテンツの開発、非接触型チェックインシステムの導入などに要する経費

 予算は各地方の自治体に分配され、用途に基づいた支援が行われました。

2024年1月現在、各自治体のホームページで補助金の募集はしていません。

しかし、観光庁からは既に予算案が発表され、補助金事務局の公募もスタートしているので新たな補助金が開始される見込みです。

【参考】

(観光庁)補助金公募情報

補助金の採択を勝ち取るコツ

補助金の採択率が高い事業者の特徴は以下の3つです。

  1. 指定された形式や要件に沿った書類を提出している
  2. 公募開始から早いタイミングで申請している
  3. 事業計画書に力を入れている

順番に紹介します。

指定された形式や要件に沿った書類を提出している

要項に書いてある形式や要件をしっかりと把握してから申請書を書くことが大事です。

指定した形式に沿って書かれていないだけでマイナス評価を受けてしまいます。

最悪の場合、内容を読まれないまま不採用になることも十分に考えられるので、しっかりと決められた形式に沿って書類を書くようにしましょう。

公募開始から早いタイミングで申請している

申請のタイミングは早ければ早いほど効果的です。

補助金にも予算があるので、困っている人全員に配布できるわけではありません。

予算が潤沢にある場合と予算が少ししか残っていない場合では、無意識のうちに審査の基準が変わってしまいます。

活用できる支援制度を知ったら、すぐに申請手続きを進めるようにしましょう。

事業計画書に力を入れている

申請内容の中で他の企業と差別化できる点は事業計画しかありません。

特に補助金募集の目的とあっているか、具体的なエビデンスを用いてわかりやすく書けているかを意識しましょう。

図や表を挿入することで視覚的にわかりやすくするのもテクニックの1つです。

丁寧で誰が読んでも理解できる事業計画書を作成しましょう。

まとめ

本記事では、感染症の影響を受けたホテルや旅館が活用できる補助金について紹介しました。

紹介した補助金は、2022年4月現在で公募が始まっているものがほとんどです。

観光庁が発表した令和4年度の予算案を確認したところ、宿泊業への支援に向けた項目が設定されていました。

令和4年度の予算案を再度添付致しますのでご確認ください。

補助金を適切に活用して、事業の維持や拡大を進めていきましょう。

また、補助金一覧資料は下記リンク先からDL可能です。皆様の自治体から補助金が出ていないか確認してみましょう。

2024年宿泊施設向け補助金一覧はこちら

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