近年、競争が激化しているホテル業界では、他の宿泊施設と差別化を図るため「集客チャネルの多様化」を進めているところが多く見られます。
JTBやHISなどのオフラインの旅行代理店に加え、じゃらんや楽天トラベル、Airbnbなどオンライン旅行代理店からの集客に精を出されているのではないでしょうか。
加えて、ほとんどの施設では自社サイトからの予約も受け付けています。そして、自社サイトからの集客の際に必要となるシステムがブッキングエンジンです。
本記事では、その自社サイト予約のメリット、OTAとの比較、またおすすめのブッキングエンジン(自社予約システム)をご紹介します。
自社サイト経由の予約サービスを開始するか迷っている方、OTA掲載との違いや、ブッキングエンジンで何が出来るのか気になっている方は是非この記事をご参考いただければ幸いです。
ブッキングエンジン(自社予約エンジン)とは?
ブッキングエンジン(予約エンジン)とは、上記の画像のように宿泊施設ホームページ上で宿泊予約が出来るようにする、インターネット予約システムの事です。
このシステムを導入することで、自社ホームページ上で空室カレンダーの表示や宿泊プランの検索が可能になります。
ブッキングエンジンを利用することで、電話受付だけでなくオンラインで24時間の予約受付ができるようになります。
自社ホームページから予約を受け付ける際には、必ずと言っていいほど必要になってくるシステムであり、自社ホームページを持っているほとんどの施設でこのシステムを提供利用しています。
ブッキングエンジン(自社予約エンジン)の機能紹介
自社ホームページからの予約にブッキングエンジンは必ずと言っていいほど必要ですが、実際どんなことがこのシステムで出来るのでしょうか。
簡単にまとめると以下の8つの機能があります。
- プランの登録/表示/検索
- 部屋の登録/表示/検索
- 空室検索
- 販売数/在庫の管理/メンテナンス
- キャンセル受付
- 予約登録フォーム
- 自動返信メール設定
- 多言語設定(追加費用かかる場合あり)
つまり、ブッキングエンジンを利用することで、宿泊客がお部屋やプランの検索から予約を完了するまでの全てのプロセスを人の手がかかることなく終えることができます。
ではもし、これらをブッキングエンジンを利用しない場合はどうなるでしょうか?
自社ホームページに予約プランを掲載し電話またはメールでの予約にした場合、その電話・メールに対応する人員が必要になります。繁忙期前となると予約が立て続けに入ることもあり、更なる人員確保による人件費増加も予想されます。また、電話予約の場合受付時間外は予約を取り逃してしまうというデメリットもあります。
その他にも、人が作業を行うことによるミスのリスクが挙げられます。宿泊施設の信用、評判に関わるミスは絶対に避けたいところです。
上記で述べたように、システムに頼らず自社ホームページ経由の予約を行うとなると、これだけの手間やコスト、リスクが発生します。
OTAとブッキングエンジンの違いとは?
ここでは、OTA(実店舗を持たないオンライン上の旅行代理店)とブッキングエンジンの違いを紹介します。
OTAとは、HISやJTBとは異なり実店舗を持たないオンライン上の旅行代理店のことです。代表的な例として、じゃらん、一休、楽天トラベル、Booking.comが挙げられます。
通常、宿泊施設は手数料を支払いOTAに掲載をしています。
また、OTAについては「OTAとは?」の記事で詳しく解説しています。是非併せてご覧ください。
OTAと自社サイト予約は、「インターネット上で予約を受け付ける方法」としては同じですが大きく異なる点が一つあります。
それは、手数料です。
通常OTAでは、売上に対して10%〜20%以上の手数料が発生します。出来れば抑えたいところです。
しかし、ブッキングエンジンを活用し自社ホームページから集客をした場合、予約数に関係なく月額定額の利用料1万円〜のシステム料のみ発生します。
ブッキングエンジン導入のメリットとは?
OTAとの違いとして手数料の低さを解説しましたが、ブッキングエンジンのメリットはこの他にも存在します。
ここでは、3つの最大のメリットについて解説します。
自社ホームページから予約率の向上
1つ目のメリットは、自社ホームページからの予約率の向上です。
私たちのリサーチで宿泊客の多くはOTAで宿泊施設を見つけた後、施設詳細を確認するためにホームページを検索していることがわかりました。公式ホームページを検索することで、OTAに掲載されていない施設や食事の写真、アクセス等の情報を得ることができるからです。
そこで、宿泊客が訪れた自社ホームページから予約を取ることが出来ればOTA依存の脱却に繋がります。
ブッキングエンジンがないと、電話などでしか予約を受け付けることができず、せっかく自社サイトに訪れてくれた見込み顧客を、みすみす逃してしまうことになります。
コスト削減による売り上げアップ
2つ目のメリットは、コスト削減による売り上げ向上です。
なぜならOTAが売上10〜20%の手数料がかかるのに対して、ブッキングエンジンは固定の月額費用しかかかりません。
このことにより同じ予約数でも売り上げを伸ばすことが可能になります。
例えば、手数料が10%のOTAから年間売り上げが3000万円の場合、
OTAに支払う手数料は、年間300万円にもなります。
OTAに頼ることなく自社ホームページ経由の予約を増やすことができれば、大幅な利益向上が見込めます。
月額費用が固定になっているブッキングエンジンを利用すると、どれだけ予約が入っても料金の変動はしません。
機会損失とヒューマンエラーの防止
最後のメリットは、機会損失とミスを避けることが出来ることです。
ブッキングエンジンの機能紹介で述べたように、ブッキングエンジンを使わず電話やメールで自社ホームページから予約を受け付けることは可能です。
しかし、電話による受付は受付時間が限られています。また、受付時間内で合ってもスタッフの不在により予約を取り逃す事もあります。
そして人的作業に伴うミスのリスクは避けることが出来ません。
これを踏まえると、24時間365日予約を受け付けることが出来るブッキングエンジンなら機会損失を最小限に抑えることが出来ます。
また人為ミスを防ぐことができるという点も最大のメリットの一つです。
ブッキングエンジン比較
様々な企業がブッキングエンジンのシステムを開発しており、客室数や特徴に合わせて選ぶことが大切です。
本記事では、①HOTEL SMART Bookinhg ②予約番 ③予約プロプラス ④Direct inの4つをご紹介します。
HOTEL SMART Booking
宿泊施設の予約管理やチェックインシステム、PMSと一体型の宿泊施設向けオールインワンシステムです。
◎オールインワンシステム
一体型システムにより、システム間の連携がスムーズになり、運営の効率が向上します。また、PMS管理画面から、予約エンジンに表示させるプランや料金を変更可能です。管理画面が一つに集約されるため、施設運営側の利便性も向上します。
◎埋め込み機能
既存のサイトに埋め込むことが可能で、別ドメインを使用する必要がありません。これにより、アナリティクス機能を活用しやすく、離脱率の軽減や予約率の向上が期待できます。
◎リクエスト機能
予約者が自由に記載できるリクエスト欄を設けており、個別の希望を受け入れることができます。これにより、より高いレベルの宿泊体験と満足度の向上が実現できます。質問項目や個数に制限がないため、施設はフレキシブルな対応が可能です。
◎会員プログラム
自社予約サイトとチェックイン用マイページの連携により、会員専用プログラムの実施が可能です。予約者が全員会員登録ページを通過する導線を構築し、会員登録は予約時に同時に行うため、予約者の負担を軽減します。
セルフチェックイン業界でNo.1のホテルスマートが提供している予約エンジンです。このシステムにより、宿泊施設の運営と予約管理が一元化され、管理業務の効率化や簡略化された予約フローを提供できるため、運営側も予約者も双方にとって大きな利便性が期待できます。
月額費用も8千円で利用できるため、利益向上に貢献します。
予約番
予約番は、インバウンドと客単価向上に力を入れている予約システムです。
8言語対応(英、中簡、中繋、韓、タイ、独、仏、マレーシア)と、外国人旅行者にわかりやすいプランの表示でインバウンドの予約成約率を高めています。
また客単価向上の施策として、食事や部屋のグレードアップ、オプションの追加販売を促す表示を行っています。
その他に、デザインは30パターン用意されており、価格は初期費用として3万円、月額1万3千円〜(導入月は完全無償)で利用することが出来ます。
予約プロ プラス
予約プロプラスは、「Googleホテル検索」上に無料で自社予約サイトが掲載される予約システムです。
これは、Googleで地名やキーワードがひっかかった際に自動でGoogleの検索結果に宿泊施設の情報が掲載されるということです。
また5言語対応(英、中簡、中繋、韓、ベトナム)、事前決済対応、デザインが自由に設定できることも特徴として挙げられています。
価格は初期費用として3万円、月額1万2千円〜で利用することが出来ます。
Direct in
Direct inは、シンプル・スピード・セキュリティ ・シナジーを軸とした予約システムです。
特にセキュリティに力を入れており、第三者機関の脆弱性診断を受験済みの他、3つのセキュリティ保護を使い多角的に対策を行っています。
加えて、Yahoo!トラベルへの掲載が広告料なしで利用することが出来ます。
オプションとして、4言語対応(英、中簡、中繋、韓)や事前決済が可能です。
ブッキングエンジンまとめ
本記事では、ホテルを運営する上で欠かせない予約システム「ブッキングエンジン」について解説しました。OTAとの違いや自社サイト予約数を増やすことのメリットをご理解いただけたかと思います。また、ブッキングエンジンにより自社HPへのアクセス数を伸ばすことで、コンセプトや魅力がより宿泊客に伝わる良い機会にもなるでしょう。
最後に本記事で解説をしたHOTEL SMARTの詳細については、下記のページを参考にしてください。