AIの登場でホテル運営はどう変わる?ホテルでのAI活用例も紹介

AI(エーアイ:人工知能)って流行っているけど、どんなものなのだろう?」「自社で使えるのだろうか?」と、気になっているホテルの支配人・オーナーの方は多いのではないでしょうか。

AIを導入することにより、作業にかかる人員削減が可能になるため、よりおもてなしに注力できるようになります。

この記事では、ホテル業界で進むAI活用からメリット、AI活用例までを解説しています。AIの導入をご検討のホテルの支配人・オーナーの方は、ぜひ参考にしてみてください。

ホテル業界で進むAI活用

昨今、ホテル業界は競争が激化しており、差別化をはかる戦略のひとつとして、AIを導入するホテルが増えてきていますよね。ホテル業界でのAI導入はルーティン業務の代替によるコスト削減だけでなく、新しい時代のおもてなしの形として、顧客満足度の向上が期待されています。

実際に、AIを活用することで、AI顔認証を使ったチェックインが可能になっています。また、ホテル内のマーケティングもAIにより自動化され、ホテルの支配人・オーナーの方にとっての効率化が実現しています。

さらに、接客ロボットの活用により、外国語での案内をスムーズにおこなうだけでなく、受付代行や荷物の運搬管理まで可能になり、フロント従業員の人員削減につながっています。

AI顔認証でセルフチェックイン!

ホテル業界でAIを活用するメリット

ホテル業界でAIを活用するメリットは、人材不足の解消と生産性の向上など多岐に渡ります。

AIを導入することで、人件費削減が可能になったり、宿泊客の利便性および満足度向上にもつながったりと、従業員にとっても宿泊客にとっても、メリットを感じられます。

それでは、ホテル業界でAIを活用することで、具体的にどのようなメリットがあるのかをみていきましょう。

人件費削減

ホテル業界でAIを活用する一番大きなメリットは、人件費削減ができることでしょう。

たとえば、AI搭載の接客ロボットを導入することにより、少人数で運営可能になるので、採用や教育コストの削減につながります。チェックイン業務の補助ツールとしても活用でき、宿泊客1人あたりの受付時間短縮も可能になります。

その上、接客ロボットは労働時間の制限がなく、24時間労働が可能です。身体の負担が大きい深夜帯などでも、人の代わりに対応できます。

また、同様にチェックイン業務も、それまで人が対面で行っていた本人確認をAIを使った顔認証で代替できれば、その分の人件費を削減できることになります。

多言語対応による満足度向上

日本を訪れる外国人旅行客は年々増加しています。それに伴い、インバウンド需要にフォーカスした、独自の戦略を打ち出すホテルが目立ってきていますよね。

インバウンド需要を満たすためには、多言語への対応ができることは必須となってきており、多言語に長けた人材の獲得が急務となっています。

しかしながら、小〜中規模のホテルでは他言語対応のスタッフを雇用する余裕はありませんし、そもそも地域によっては人が集まらないという問題もあります。

接客ロボットを導入することによって、その問題が解決できるのです。多言語対応可能の接客ロボットは、組み込まれたプログラムによって、外国人宿泊客への接客対応も難なくこなせます。

外国語を話せる人材獲得の必要性を下げ、採用や教育コストをかけずに問題解決ができることは大きなメリットですよね。多言語対応可能の接客ロボットの、正確な外国語とスピーディな対応は、外国人宿泊客の満足度向上につながることでしょう。

ホテル業界でAI活用例

そもそも、ホテル業界自体、IT化・デジタル化があまり進んでいない業界です。AI活用はまだまだ、黎明期と言えるでしょう。

ただ、着実にAI活用の流れは進んでいます。具体的にどのようなAI活用例があるのかをみていきましょう。

セルフチェックイン

HOTEL SMART

セルフチェックインシステムとは、ゲストのスマートフォンや現地設置の機器を使ってセルフでチェックインを可能にするシステムです。

セルフチェックチェックインでは、これまで対面で行っていた本人確認や身分証明書の確認をAI顔認証で代替しており、パスポートの自動読み取りや宿泊客の容貌の照合をAIがおこなうことで、本人認証をスピーディかつ正確に完了できます。

宿泊客がチェックインする流れは、予約確認メールに添付されたQRコードを、フロントの専用端末にかざすことで、宿泊者情報やルームキー番号の取得、カメラを使った顔認証による本人認証がおこなわれます。

AI顔認証を活用したセルフチェックインが可能なサービスの一つに、「HOTELSMAR(ホテルスマート)」があります。低コストでフロントの省人化を実現できる、ホテル向けクラウドチェックインシステムです。システム導入実績数は、全国に1000物件以上と多くのホテルや旅館などで導入されています。

「HOTEL SMAR(ホテルスマート)」は、宿泊者情報の取得から、チェックイン時に必要な本人確認、パスポート情報取得までをおこなえます。その際にAIが顔認証を行い、本人かどうか、また、きちんと顔写真が映ったパスポートをアップロードしているか判別します。

その後、スマートキー連携による鍵情報の自動取得により、鍵番号を表示し入室ができます。また、クレジットカード支払いも、現地でのタブレット端末によりおこなえます。

AI顔認証でセルフチェックイン!

レベニューマネジメント

プロペラ_レベニューマネジメント

レベニューマネジメントとは、顧客の需要を予測して収益を最大化するための、商品やサービスの料金を変動させる販売管理をおこなうことです。多くの場合、レベニューマネジメント業務は、ホテルの支配人・オーナーや本部のマーケティング担当の人がおこなっています。

過去のデータや直近のイベントなどを考慮し、利益(ADR)を最適化するために部屋の価格の調整が必要です。

レベニューマネジメントは、専門的な知識が必要ですし、扱うデータも多く煩雑な作業に感じる人が多いでしょう。また、周辺の競合施設や需要の調査等を実施しつつ、売り出している宿泊費の料金調整を毎日する必要があるため、人力で行うには限界があります。

膨大なデータを処理し、傾向を導き出す作業はAIが最も得意とするところであります。AI搭載のレベニューマネジメントシステムを活用することで、過去の膨大な予約実績データから傾向を導き出し、最適な価格を提案可能になります。

そんな、レベニューマネジメントシステムの一つに、「PROPERA(プロペラ)」があります。実務経験15年以上、実績は100施設以上のノウハウを搭載した実践型のシステムです。

AIアルゴリズムによる最適な価格提示が可能で、経験豊富なレベニューマネージャーの経験、知見をアルゴリズム化します。また、導入後も分析と機械学習を繰り返してアルゴリズムが進化します。さらに、ラグジュアリーホテル、リゾートホテル、ビジネスホテルなど、幅広い宿泊施設の形態に適応しており、施設ごとに設定をカスタマイズし運用が可能になります。

AI接客ロボット

接客ロボットとは、対人向けの接客をおこなうことを目的として作られたロボットです。近年では、ホテルや飲食店などさまざまなシーンで活用されています。

接客ロボットは、多言語対応が可能なので、外国語での案内をスムーズにおこなえます。そのため、高まるインバウンド需要の対応が可能となっています。また、従業員の採用や教育コストの削減にもつながりますね。

それでは、ホテル向けの便利な接客ロボットをみていきましょう。

Pepper for Biz(ペッパー)

Pepperは、感情を認識する人型のロボットです。顔認識標準搭載により、登録した人物の顔を判別します。

AIの顔認識標準搭載と「ヒューマノイド用会話プラットフォーム」により、対面回数に応じて会話シナリオを出し分けたり、サービスを切り替えたりすることもできるので、より柔軟な接客で顧客の満足度を向上させられます。また、自社業務向けの独自会話も登録可能なので、ホテルごとの独自性をアピールできます。

AIにより、宿泊客がPepperとどんな会話をしているのかが、会話ログから分析できます。接客データは全て遠隔からグラフで分析ができるため、アンケート調査やクーポン配布、来店者の属性分析などにも活用できます。利便性の高さはもちろんのこと、コミュニケーション能力が高い人型のロボットなので、ホテルに訪れた宿泊客を楽しませてくれるでしょう。

unibo(ユニボ)

uniboは、音声認識AIを備え、宿泊客の問いかけに合わせてホテル館内の施設を案内したり、周辺の観光情報を伝えたりといった役割を果たしてくれます。

飲食店情報サイトの「ぐるなび」と連携し、飲食店の案内地図などにリンクしたQRコードを表示することも可能です。愛くるしい容姿とともに、卓上設置が可能なサイズ感なので、省スペースにも設置できます。

ホテルでのAI活用まとめ

ホテル業界でのAI導入は、従業員の負担軽減やコスト削減にも絶大な効果が見込めます。

フロント業務の代替となるAI関連サービスは、人員削減を可能にし、採用や教育コストを抑えることができます。今後AIの普及にしたがって、人は人にしかできない温かみのあるおもてなしに、注力できるようになっていくでしょう。

そして、レベニューマネジメントなど、煩雑で人の手では時間がかかるため実施できていなかった業務も、AIを活用したシステムを導入することで実施できるようになり、機会損失を防ぐことができます。

日本人の特長である細やかな気遣い、おもてなしの文化はそのままに、AIにできることや得意なことはAIにおまかせしていくのが、これからのホテル運営の主要な運営方法となっていくでしょう。

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