近年は、感染症によってホテル・旅館の宿泊者は大きく減少傾向にあります。
それでも、感染症の不安がなくなれば「旅をしたい」という欲求は多くの人が持っており、ホテル・旅館は私たちの生活になくてはならないものと言えるでしょう。
しかし、実際に旅館を運営している側にとっては、大きな悩みもあります。
近年の少子化に伴って、旅館では人員が慢性的に不足しており、作業負荷が増大していることが大きな問題となっています。
その他にも、有名な日本の観光地には、星野リゾートが運営している「星野や」「界」など、古き良き旅館と近代的な「おもてなし」を実現した施設が全国に進出。古くから地域に根ざしてきた旅館は、業務のシステム化から大きな遅れを取ってしまいました。
これから紹介する「旅館システム」は、最低限の人員で効率よくホテル運営を実現することが可能になる他、既存客から得たあらゆるデータを統計化し、新たな顧客層を取り込むための施策を打つなど、未来を予測したマーケティングを提案することも可能です。
「派遣会社に人員を依頼しているが、このような費用を極力減らしたい」
「新しい旅館・ホテルに負けないように集客を高めたい」
運営に悩んでいるホテルの支配人・オーナーに向けて、旅館システム導入のメリットから選び方などを解説します。
ぜひ最後まで、ご覧下さい。
「お宿奉行」では予約管理や宿泊者台帳を効率化してくれるシステムです。旅館業務の効率化を目指している方はこの機会にご検討ください。
旅館運営に役立つシステムとは?
システムを導入しなければ、従業員が対応しなければならない業務が増加し、人件費がかさんでしまうことから、システム化が早急に求められています。
近年は、旅館運営をよりシステム化することにより、「予約サイトからの予約を自動的に取り込んでくれる」「各種予約サイトの在庫管理も一括で行える」等、従業員の負担軽減に結びついているのです。
具体的には、主に以下2つのシステムが旅館・ホテルで利用されています。
サイトコントローラー
近年は、ホテル・旅館などを予約する際に、「じゃらん」「楽天トラベル」「Booking.com」などの予約サイトを利用する場合が多いです。
ホテルを利用するゲストは、数ある予約サイトの中から、様々な理由を鑑みて予約サイトを選定しています。
しかし、施設側の問題点として、各種予約サイトから届く予約をどのように管理するかが最大の懸念点となるのです。
例えば、楽天トラベルとじゃらんの両方に出稿している時、楽天トラベルから予約が入ったとしましょう。
その際に、じゃらんでの在庫を減らさないと、既に予約が埋まっている部屋が出稿され続けてしまうため、オーバーブッキングとなってしまいます。
「サイトコントローラー」では、異なる予約サイト間の料金・在庫を同期することで一元管理する機能が備わっています。在庫を予約サイト間で連動させることでオーバーブッキングを防止したり、料金も一括で変更が可能となります。
そのほかにも、予約管理・データ分析などもサイトコントローラーで可能です。
下記の記事で詳細について解説しております。併せてご覧ください。
旅館PMS
旅館PMSをひとことで表現すると「宿泊業務を効率化するシステム」と言えるでしょう。
具体的には、「宿泊予定者の部屋割り」「部屋ごとの状況管理(清掃実施状況・残室管理)」「清掃リスト・売上日報の帳票作成」などができます。
そのほかにも、「アレルギーがある顧客」「フロントでの渡しものがある顧客」などの情報をシステム上で登録することで、連絡漏れ、作業漏れなどを減らす等、多様な目的で旅館PMSは利用することが可能です。
旅館システムの導入のメリット!
ここまでは旅館・ホテルで利用されている「サイトコントローラー」「旅館PMS」について解説してきました。
しかし、改めて「システム化」という言葉を聞いても、今までやってきたやり方を大きく変えることの怖さから、システム導入を避けている旅館・ホテルも多いのではないでしょうか?
この項目では、旅館システムを導入するメリットを解説します。
業務が効率化され、「おもてなし」に掛けられる時間が増える
旅館・ホテルを運営する上で忘れてはいけない部分が、ご利用いただいているゲストへの温かな心配りです。
「毎年、家族で来館しているが、子どもたちの成長を覚えてくれている」
「初めての土地での旅行だったが、スタッフがおすすめの観光地などを丁寧に教えてくれる」
このような「おもてなし」が、お客様の心に残り続けます。
また、このような情報を「顧客情報」としてシステムに残しておくことで、スタッフ全体が高いレベルでのお客様対応が可能となるでしょう。
ゲストとスタッフの対話の時間を多く創り出すためにも、システムを利用した業務効率化が大切です。
作業の手間を最小限に抑える
予約管理で、紙の台帳やエクセルを利用している場合、入力ミスや修正ミスなどが全て人間の手で行われることから業務におけるリスクが増大します。
また、ミスを防ぐためのチェック作業も大きな負担となるのです。
このような作業を極力減らすために、旅館システム導入が求められています。
会計業務を効率化し、お客様のストレスを減らす
手書きの領収書を作成する場合には、領収書記入の時間でお客様をお待たせするストレスの他、領収書を記入する作業もスタッフにとって負担の掛かる作業となります。
会計システムを導入することで、領収書もシステムから自動的に印刷が可能になり、お客様をスピーディーにお見送りすることが可能です。
旅館システムの選び方!
業務の効率化を行い、最小人員で運営を行うために旅館システムが大切な要素であることをここまでお伝えしてきました。
しかし、実際に数多くの会社が旅館システムを販売している中で、どのような基準で旅館システムを選べばよいかが分からない方も多いのではないでしょうか?
次に、旅館システムを選定する上で大切なポイントを3つ解説します。
使いやすいデザインのシステム
素晴らしい機能が沢山付いている旅館システムだったとしても、その機能が直感的に使いやすいものでなければ利用するスタッフの負担も増加してしまいます。
数多くの旅館システムを調べる中で、数多くのホテル・旅館で導入実績があるものを選択肢に入れることもおすすめです。
また、リアルな口コミなどを得られると、使いやすいデザインの旅館システムに出会うことも可能となるでしょう。
クラウド型のシステム
旅館システムは、主にオンプレミス型とクラウド型に分けられます。
オンプレミス型とは、システム構築に必要なサーバーや回線、ソフトウェアなどを自社またはデータセンター内に設置し、システムの構築から運用を自社で行う形態を指しています。システムを柔軟にカスタマイズ可能である利点はありますが、IT機器を自前で用意しなければいけないことから初期費用が高くなるデメリットがあるのです。
その反面、クラウド型は自社でIT機器などを保有せず、インターネットを介して利用する形態を指しています。保守コストも現地に赴くなどの手間も発生しないことからオンプレミス型よりも安価に済むことと、導入も簡単でスムーズに利用が開始できることから人気を集めているのです。
このような点から、オンプレミス型よりもクラウド型を導入することが望ましいでしょう。
サポート体制が充実している
旅館システムを選ぶ際に大切なことのひとつに、「サポートセンターが親身になって対応してくれること」が挙げられます。
「トラブルが起きた場合に、スムーズに解決策を提示してくれる」
「深夜帯に発生したトラブルにも、柔軟に対応してくれる」
このような部分も、それぞれのサービスを利用した口コミなどを参考にしながら選定を行うことが大切です。
特に、システムを初めて利用する施設では、システムの使い方でつまづいてしまうことがあります。お客さんのチェックインに直接関わってくる部分でもあるため、システムトラブルで顧客満足度を下げてしまうなんてことは極力避けなけばなりません。
いくら高機能なシステムでも使いこなせなければ意味がありません。システムを導入する際は運用が軌道に乗るまでのサポートがしっかりしている企業を選びましょう。
顧客管理ができる旅館システム「お宿奉行クラウド」
エイジィ株式会社が提供している「お宿奉行クラウド」では、旅館システム(PMS)に必要な機能を網羅しながらも、ゲストひとりひとりに合わせた「おもてなし」を実現する機能も備わっています。
具体的には以下のような機能です。
フロント業務の負担を軽減する「モバイルチェックイン」
フロント業務において、人員を割かなければならない業務に「チェックイン」があります。ゲストが来館した際に、台帳への記入が必要となりますが、この作業を事前にスマートフォンから行うことが可能になるのが「モバイルチェックイン」です。
「モバイルチェックイン」を導入することで、混雑時のチェックイン対応の負担が軽減し、その軽減された時間をゲストの「おもてなし」の時間に充てることが可能になります。
多言語対応+パスポートリーダー機能
もし、マルチに多言語を話せるスタッフがいなければ、インバウントのゲスト対応で苦戦することになります。海外からのゲストも日本からのゲストと同じように丁寧な「おもてなし」を実現するために「チェックインの多言語対応」「パスポートリーダー機能」などを導入可能です。
タブレットを利用した多言語チェックインを実現することによって、海外からのゲスト対応もスムーズに行える点もメリットと言えるでしょう。
リピート宿泊履歴管理できめ細かい接客
「お宿奉行クラウド」は、予約情報をシステム内に蓄積していきます。例えば、リピーターで利用するゲストからの予約が入った場合に、自動的に過去の顧客情報と紐づけることが可能となります。
「過去の情報からアレルギーがある」
「柔らかめの枕を部屋に設置しておく」
などのようなゲスト個別の申し送り事項を、2回目以降に利用する場合にも的確に対応することが可能です。
「業務効率化」を実現した先の、「おもてなし」の向上に目を向けた旅館システム「お宿奉行クラウド」の詳細は以下URLからご確認下さい。
旅館システムまとめ
この記事では、旅館システムの解説から、旅館システムを導入するメリットやおすすめの旅館システムなどを解説してきました。
少子高齢化に伴って、どのホテルでも「人員不足」が叫ばれる時代だからこそ、「人員を増やす」のではなく「既存の業務を効率化する」ことが問題を解決する一番の近道かもしれません。
また、既存作業をより効率化していくことで、働いている従業員の作業負担が軽減され、会社で働いている従業員の満足度にも大きな影響を与えます。
「高いお金は払えない」という支配人・オーナーの方こそ、旅館システムを導入し、業務効率化を図ってみてはいかがでしょうか。