ホテル経営の4つの運営方式とは?MC方式・所有直営・リース・フランチャイズの違いと成功ポイントを徹底解説

ホテルの経営形態はどんなものがある?

オーナー側は資金提供を行うことで不足した運営ノウハウを補うことができ、一方の運営者は建物などの設備投資が必要ないため低リスクで運営できるのがメリットです。

所有直営方式はホテルの所有と運営を同一の会社が行う経営方式です。帝国ホテル、プリンスホテル、リーガロイヤルホテルなどで採用されており、日本では一番オーソドックスな運営形態です。

所有直性方式は経営方針に所有者と運営者が同じであることから、機動力のある経営判断が可能となり、意思決定に時間がかからないことがメリットです。また経営者と運営者が同じであることから、責任の所在が明確となります。そして、土地や建物など資産を有していることから、金融機関からの融資を受けやすくなるという利点もあります。

リース方式はホテルの所有者(オーナー)が建物を貸し出し、運営会社がこれを賃借し経営する方法です。日本では東横イン、ホテルルートイン等のホテルで取り入れられています。

運営会社はリースによってホテル運営ができるため初期投資のコストが軽減され、新規開業のハードルを下げられます。しかし一方で、収益状況に関係なくオーナー側にリース料金を払うことが義務とされます。

今回のコロナなど需要が大きく減少したタイミングでは、運営者側の負担は大きくなってしまう可能性があります。

加盟店舗であるホテルが本部の大手ホテルにロイヤリティ(契約料金)を支払うことでその経営ノウハウとブランド使用権を与えられる運営方式です。

小規模ホテルは運営ノウハウを取り入れることで盤石な経営基盤を整えられ、ブランド力の高い看板を使うことで安定した集客が期待できます。

運営本部となるホテルは看板を貸すことでシェアの向上とフランチャイズフィーを獲得できます。この方式を採用しているホテルとして日本ではアパホテルが有名です。多くのフランチャイズ契約では、加盟店は経営状態に関係なくロイヤリティを払う義務があることに注意が必要になります。

一般的にホテルの新規開業には1500万~3000万円程の資金が必要とされています。その内訳としては建設・リフォーム費、人件費、集客費(宣伝費用)、物販購入費の4つです。開業には莫大な資金投資が必要ですが、いかようにも削減する方法はあります。

例えば、賃貸マンションや古民家など既存施設を再利用することで建設・リフォーム費の削減ができますし、PMSを導入しフロント業務を省力化することで人件費も抑えられます。集客費はOTA出稿やSNS運営など、労力と時間さえ割けば少額による個人での対処も可能です。客室に必要な設備やアメニティを正しく取捨選択することで物販費用もリーズナブルとなります。

ホテル運営には国あるいは自治体からの許認可が必要です。許認可には「旅館業法」「民泊新法」「特区民泊」の3つの種類があり、運営するホテルの形態によって必要な許認可が異なります。

旅館やホテル・簡易宿泊所を運営する場合は旅館業法の申請が必要ですし、民泊を開業するには民泊新法に則った許可が必要です。特区民泊は大田区や大阪市など国が指定する特別なエリア内での開業に必要な許可のことです。

通常、許認可は開業するエリアの自治体の保健所に申請手続きをすることで発行されます。場合によっては申請して許認可を得るまでに時間がかかることもあるため開業日から逆算して申請しましょう。

業務の効率化と経営の盤石化を目指すのであれば運営システムは欠かせません。主に必要なシステムには拡販経路を広げる役目となる「OTA(Online Travel Agency)」、各OTAの予約状況を管理する「サイトコントローラー」。そしてデスク業務や稼働率などの経営指標を一元管理する「PMS」の3つがあります。

また近年の人手不足問題や、インバウンドによる多言語対応により、フロント業務の効率化に寄与できるセルフチェックインシステムの需要も高まっています。カードキー発行や宿泊税などを含めた現金精算も宿泊者自身で行っていただくことが可能なシステムを導入することで人件費だけでなく教育コストも大幅に削減することができます。

運営システムというと小難しく感じますが、OTAは楽天トラベルやブッキングドットコムに代表されるオンライン予約サイトのことです。またサイトコントローラーPMSも最近はユーザーの使いやすさに特化し、導入に時間がかからない製品もあります。

他にもホテルの新規開業に必要なものについても解説しています。ぜひご参考にしてください。

インバウンド獲得に気を取られがちですが、コロナ前において大半は国内需要が占めていました。観光庁のデータによると2019年8月には国内宿泊者数が訪日外国人、日本人の合計が過去最多の約6000万人に達しています。そのうち約5000万人は日本人であり宿泊需要の大部分を国内需要でまかなっていました。

このような想定外の災難に対して雇用を増やすことは大きなリスクとなり得ます。なぜならば、日本の雇用制度の中では、一度雇用してしまうと経営状況が悪化したからと企業の一方的な都合によって解雇が難しいためです。

また、企業存続のために従業員をリストラすれば、それはそれで「従業員を大切にしない会社」などとレッテルを貼られてしまいかねません。先行きがなかなか見えないこの時代、必要最低限の人員でオペレーションができる体制こそ、次世代のホテル経営に求められ理想とも言えます。

HOTEL SMART(ホテルスマート)をはじめとしたホテル向けのホテル管理システム(PMS)やセルフチェックインシステムもあなたのホテル経営を手助けをしてくれます。

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