ホテル・旅館のコスト削減戦略を専門コンサルタントが徹底解説|人件費・光熱費・OTA手数料まで利益を最大化する実践ノウハウ

皆さんご存じのように、ホテルや旅館では「一日に売れる空間」が決まっており、空室があっても翌日には持ち越せません。付帯売上は別として、その日の売上上限は決まっています。
その中でどのように利益を出し、できるだけ多く残すか。売上とともに、コスト削減にも取り組んでいくことが重要です。今回は、ホテル運営でコスト削減が可能な部分を見ていきましょう。

多くのホテルにおいて、一番大きなコストは人件費です。この部分を合理化・省人化・無人化できれば、大幅なコスト削減ができることは明白です。ただ十分に気をつけたいのは、スタッフのやる気を削ぐような削減は避けるべき、という点です。そのスタッフにしかできないことや人の手でやる必要があるもの、能力が反映されるものは削減対象外としましょう。コスト削減がモチベーション減に繋がるのは、長い目で見た時にはマイナスにしかなりません。

逆に、それ以外の定型作業やルーティンでできる内容は自動化し、スタッフの作業負担を軽減するのも一つの手です。
最近見かけるようになった自動チェックイン/チェックアウトはルーティン作業の最たるもので、この部分を自動化できれば大幅なコスト削減に繋がります。また、PMS(ホテル管理システム)・セルフチェックインシステムブッキングエンジンなどが一括管理できれば、労力も大幅に軽減できます。

例えば HOTEL SMART(ホテルスマート)を使えば、ご予約~決済までの一連の流れを、お客様のスマートフォンやホテル端末で完結できます。オンラインレジストレーションや、クレジットカードによる事前決済にも対応しています。各種サイトコントローラーとも連携し、また旅館業法も遵守されたシステムなので安心です。

HOTEL SMARTでは、宿泊施設の課題を解決し、さらなる顧客満足度の向上と、収益の向上を実現する宿泊施設向けオールインワンシステムです。サービスの概要や導入事例、具体的な運用方法をまとめた資料をお配りしております。ご検討のお役に立てください!

通常はフロントやナイトスタッフが担当する業務ですが、小さなホテルでも最低1,2人は必要です。また、締め作業や数値管理も含めると、かなりの人数を要します。

仮にイン/アウト時のヘルプスタッフとして、15~19時/7~10時の計7時間、時給1,200円で1人雇った場合、1日8,400円の人件費がかかります。
週末や特定多忙日に絞り、10日勤務としても月額84,000円です。人数や日数が増えれば、負担はもっと大きくなります。

このような自動化への検討は、単純に自動化システムの初期費用・月額負担を見て躊躇される方もいらっしゃいます。ただ、パートやアルバイトスタッフに担当させた場合の時間給・人件費と比較してみてください
長期的に見るとそのコスト削減効果は投資額大きいと判断できます。また、お客様にもフロントでの煩わしい手続きを省略・簡略化していただけます。検討に値する大きなコスト削減ポイントです。

光熱費は、スタッフ全員で取り組むと結構なコスト削減が可能です。また、SDGsや省エネなど、現代ビジネスに必要な意識を根付かせることもできます。
照明のLED化は一般的な流れですが、さらにバックヤードや利用頻度の低いエリアで、人感センサーによる自動On/Offも検討しましょう。太陽光パネルを設置し、社内電力の大部分を補っている宿もあります。これは自社の使用状況と初期投資を比較検討すればよいでしょう。

電気料金の具体的な削減方法は、「ピークカット」「ピークシフト」「蓄電池」「デマンドコントローラー」などで検索してみてください。館の規模にもよりますが、私が担当した事例では、年間数万~100万円弱の経費削減ができました。
ボイラーを使用している宿では、重油やガス費用もかなり大きな負担になっています。当社取引先では、曜日ごとのお客様数を平均値化し、売上とコストを比較、思い切って曜日休館を設けたところもあります。これも戦略的なコスト削減と呼べます。

余談ですが、ある宿のオーナーは雨水を貯め、送迎車や庭園の手入れなどに利用しています。貧乏くさいのではなく、経営者がここまでするからこそ、スタッフにも光熱費削減の意識が芽生えるのです。まずは役職者が率先垂範し、取り組む姿勢を見せましょう!

かなり以前に契約した、高くて内容の悪いインターネットプランをそのまま使っている宿も見かけます。
今後のDXやIoTに十分対応できる能力があるか、改めてネット契約料金を見直してみましょう。

最新のインターネットへの更新は、結果的に様々なコスト削減に繋がります。何年もプランを見直していない宿は、すぐにでも取り掛かりましょう。

通常は必要な枚数をのリネンを発注しますが、宿によっては納品数をパートナー企業に任せているケースもあります。予備在庫は必要ですが、過剰在庫は無駄です。必要な枚数を超えて発注していないか、常にチェックしましょう。また、連泊用ECOプランなどリネンの量を減らし、お客様に還元しながらコスト削減することも考えましょう。

中にはリネン発注数を精査した際に、約8%の過剰分を削減でき、別の取引先ではバスタオル不要プランを用意しています。
例えばバスタオルのクリーニングに100円かかる場合、そのバスタオル不要プランは通常より50円引など、お客様に還元しながらコスト削減もできています。

最近は歯ブラシや髭剃りなど、ご自分の物を持ち込まれるお客様も増えています。ハイエンド以上のホテルでは難しいですが、例えばアメニティ類はフロントで必要な方にだけお渡しする、またはご自分で必要分を取っていただくなど、無駄な消費はなくせます。これは清掃スタッフのアメニティ準備も減らすことができ、結果的には清掃時間の短縮にもつながります。

実際の事例としては、約140室程のシティホテルでは、お客様にアメニティを取っていただくことでアメニティ消費量の12%削減に成功しました。
また、このセルフサービス方式ではアメニティの原価だけでなく、アメニティ補充にかかる人件費も削減できます。清掃時のアメニティ準備に各部屋1分計算で、満室時140分の労働時間短縮となります。

OTA(オンライン旅行代理店)は強力な集客ツールですが、その手数料は馬鹿になりません。ただ、集客力やお客様への訴求を考えた場合、この部分は必要経費で無くすことはできません。手数料をできるだけ取られずに集客できる方法も、並行して考えていきましょう。
まず、常に自社サイトが一番安くてお得であるベストレート保証は必須です。最近はこの保証が一般的にも認知され、OTAサイトと自社サイトを比べる方も多くなっています。その名に恥じぬよう、必ずベストレートにしておきます。

OTA手数料は通常10~20%程度ですが、それが自社直予約に変わるだけでその分が利益として残ります。その点をしっかり意識し、自社サイトでご予約いただけるよう誘導方法を考えましょう。
自社ホームページのデザインを変更したり、使用しているブッキングエンジンをリニューアルしたり、一度Webサイトに訪れた見込み顧客からの予約率を少しでも向上させられるようにしましょう。

取り組む際に注意してほしい点があります。そのコスト削減が自社のブランディングやペルソナに沿っているか、それを壊すことはないか、その点は十分に気をつけてください。

自社が大切に築き上げてきた顧客から見たイメージや、「あのホテルであれば間違いない」という信頼、そのようなブランディングを損なうコスト削減は避けましょう。また、自社の理想的な顧客像であるペルソナが、そのコスト削減でがっかりされないか?そのペルソナの気持ちになって考えてみることも重要です。

目に見えるリネン・アメニティの陳腐化や貧相さ、また清掃の簡略化による館内清潔感の質低下などは、ブランディングやペルソナのCSに大きなダメージを与えます。結果的にそれを取り返すために非常に大きな労力と費用が必要となれば、それこそ本末転倒です。そのコスト削減が後々にどのような影響をもたらすか、そこまで考えて進めていきましょう。

ホテルでもDXやIoT・AIoT(AIによるIoT)により、人の単純作業を減らせる時代です。その分、スタッフはより丁寧な接客に注力でき、質の高いおもてなしに集中できます。それは顧客だけでなく従業員の満足度向上に繋がる改善であり、「自動化することにより接客の質が上がる」取り組みです。

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